レジリエンスを鍛えるための笑いヨガ

レジリエンスを鍛えるための笑いヨガ

オンラインサロン笑い道では、毎月1回笑いカフェを開催しています。

いろいろなテーマで学んだり語りあったり。
ヨーガや呼吸法等のワークを体験することもあります。

2024年1月は、「レジリエンス」がテーマでした。

 

「レジリエンス」という言葉を初めて聞いたのは、2009年のこと。
この年は高田佳子が、日本笑いヨガ協会を始めた年でもあります。いつか勉強したいと思いながら、15年間も機会がなかったのですが、サロンメンバーで徳島在住の清水素子さんが、レジリエンストレーナーであったことから、ミニ講義をお願いしました。

 

「レジリエンス」という言葉は初めて聞いたという人も多かったのですが、笑いヨガとの相性が抜群で、清水素子さんの話の分かりやすさとの相乗効果で、バッチリ即実践レベル迄、理解できたようです。

『レジリエンスを鍛えるための笑いヨガ』と題した清水素子さんの講義を下記にまとめましたので、読んでください。

 

(高田佳子)

 

レジリエンスとは何か

毎日生きていると、不安やプレッシャーがあるはずです。これは、誰でもあります。
また、たまにはとんでもないことが起きるのです。予期できない災害や、身近な人の不幸といったことです。

 

レジリエンスという言葉は、最近では聞かれるようになっているのですが、日本語で決まった訳語はありません。

  • 心の回復力
  • 立ち直る力
  • 逆境に負けない力
  • 困難から脱する力
  • 弾性

などと言われています。

 

突然襲ってきた災難に、立ち直れないときがあります。
その際に必要な力を鍛えるのが、レジリエンストレーナーです。

 

赤ちゃんや小さな子どもは何があってもめげずに挑戦を続けます。
最初は立って歩くことは難しいのですが、何度転んでもまたチャレンジしています。

褒められるから、歩く練習をしているわけではありません。

こういう状態が、レジリエンスが高い状態なのです。

 

人間の脳には、扁桃体という部分があります。

古い脳、つまり原始的な脳と言われる部分で、「快・不快」「恐怖」といった基本的な感情を決める場所です。

ここからの情報をもとに、善悪や正しさの基準、規範を学んでいくのです。
学びは蓄積されていき、その人固有の考え方のクセができあがるのです。

 

この扁桃体は、ネガティブなことに対して反応しやすくできています。危機に備え、危険を回避ができないと、生命の維持ができないわけです。
だから、ネガティブ感情には敏感に反応するようにできているのです。

 

現代社会は太古の昔に比べたら危険は少ないのですが、人間の脳はさほど大きく進化していません。

だから、自分はネガティブだと気にする必要はありません。安全に暮らすための、脳の特性なのです。

 

まずは、現在地を確かめる

赤ちゃんの頃は何にでも笑ったり怒ったり、本能そのものですが、前頭前野が発達してくるにつれ、自分が生きてきた経験が脳に刻まれます。
精神活動と結びついていて、人それぞれ発達の仕方になり、思い込みやクセがつきます。

 

自分が生きていくために、脳をその環境に応じて鍛えてきたので、必要なものではあるのですが、この思い込みが行動に制限をかけてしまいます。

 

人間は、安心・安全の欲求があると同時に、今とは違うことをやりたい、新しいことにチャレンジしたいという欲求があります。

 

そうすると「どうせできない」「無理だ」という思い込みが邪魔をすることがあるのです。
そして、チャレンジしない自分を肯定的にとらえられないのです。

 

だから、生育過程の経験によってついた「クセ」に打ち克っていかなければなりません。

 

そのために、脳をしつけていく必要があるのです。それが、レジリエンスを高めるということなのです。

まずは、自分の今の状態がどのようなものなのか、確認しましょう。

下記質問に、自分が今どのような状態なのか、1-10点でお答えください。
自信を持ってYESと即答できる場合が10となります。

 

 

 

回答の見方と脳のしつけ方のコツ

これは、点数が高ければ高いほど良いというわけではありません。
もちろん、今の自分のそのままでいいと思っている人は、脳をしつける必要はありません。

 

しかし、生活していると、どんな災難からも逃れられるという人はいないのです。

だから、何かあったときの対処法としてのレジリエンスを高めておくことは、大切なのです。

 

 

この回答は、誰か満点の人を想像して、それと比較して自分の現在地を確認する人が多いのですが、まずは自分と誰かを比べる習慣に気づき、それをやめてみてください。

自分のものさしの10点満点と自分の現在地を時々調べるのが大事なのです。

 

そして、1点だけポイントアップするには何をしたらいいのか。その具体的行動を考えてみてください。

 

1ポイントだけでいいし、0.5でもいいのです。

 

ポイント上げるために、何をするかを考え行動することで、自分の思い込みに気づきレジリエンスが高まるのです。

 

たとえば、
【何かあったら深呼吸をしようと思いついた。そしてやってみた。】

これだけで、1ポイント上がります。

こういうシンプルなことをいくつも見つけ、実際にやってみることがトレーニングすることになるのです。

本当にささいなことでいいのです。

 

やっても必ず成功するとは限りません。それでも、思いついたことを行動に移すことが大事なのです。
失敗したことを、ネタにするぐらいのつもりでいいのです。

 

5つの質問を提示しましたが、これも自分にあわせていろいろ変えてやってみてください。
そして、現在の点数がわかったら、何をしたら1点あげられるのかを考え、必ず行動してみてください。

それを繰り返すことで、自分のものさしがどこを向いているのかがわかります。

 

自分の中の10点満点を探し続けるうちに、自分がどうなりたいのか、どうありたいのかがわかってくるのです。

 

自己効力感が上がり、何があっても折れない自分に近づくことができるのです。

 

レジリエンスの高さとは

レジリエンスが高い人とは、どんな人のことでしょうか。

・自分の物差しがはっきりしている
・現在地がしっかりわかっている
・理想に行くための方法を知っている
・実際に行動している

この4つの要素を持っている人です。

 

レジリエンスが高い人がいるだけで、周囲が感化され、周りも変わっていきます。

 

メトロノームの共振現象をご存じでしょうか。同じ台に置いたメトロノームは最初はバラバラでも、徐々に同じリズムを刻むようになるのです。

 

人間も同じです。
「あんた笑ってないやん、もっと笑いや」ではなく、自分が笑っていると、周囲のみんなが笑うようになるのと同じです。

 

だから、レジリエンスの高い人が一人いると、周囲の人たちのレジリエンスが高まっていきます。

 

トレーニングは自分の”ものさし”が決まってからの方がいいです。

 

ものおじせずに、人前で自分の意見を堂々と話し、人を説得できるよう人は魅力的です。
同時に、聞き上手で自分の意見をあまり言わないように見えて、自分の意見を周囲の人にちゃんと理解させる人も魅力的です。

 

考えを固定させる必要はありませんし、両方目指すこともできます。
しかし、+1点を目指すにあたり、話し方と傾聴力を上げるはそれぞれ別の行動になると思うので、具体的行動につながる”ものさし”を持ちましょうということです。

 

+1点を目指すにあたり、具体的な質問にして現在地と自分のものさしを知るのです。

たとえば

Q 自分の話し方は人に伝わりやすいか?
Q 自分は人から相談されやすいか? 

など

 

自分のものさしを決めていくときに、苦手なことに向かうのは得策ではありません。
自分の得意なこと、強み、そして何より自分が楽しくできる方を選ぶ方がいいのです。

 

最初は自分の強み、例えば「かわいい人と言われたらいいな」程度でかまいません。
いろんな目的があり、いろんな現在地があるので、自分が居心地よくいられること、興味があることは何なのか、考えてみてください。

 

笑いヨガとは抜群の相性

私は、笑いヨガティーチャーになり、あとからレジリエンストレーナーになりました。
両方学んで思うのは、笑いヨガとレジリエンスはとても相性が良いと思うのです。

そして、レジリエンスを鍛えるヒントになることをまとめてみました。

 

レジリエンスの高い人の共通点

 

レジリエンスの高い人の共通点

 

心のトレーニング

心のトレーニング

 

 

こういう心のトレーニングを習慣的に行っていくと、冷静になりやすいのです。
やり方は、自分の現在地と目的地を知り、1ポイントずつ上げていくだけです。

あまり深刻な自分のクセではなく、笑いヨガで考えてみると、楽しく自分自身の成長や変化を確かめられると思います。

 

 

レジリエンスを鍛えても、必ず「お試し」の時がやってきます。
どうしたらいいかわからなくて動けなくなったり、ひどく落ち込んで、立ち直り方がわからなくなるようなときです。

 

そんなときのポイントは2つです。

 

  • 今の自分にできることだけに意識を向ける
  • どうにもならないことは、置いておく

 

ダメージが大きい、余裕がないときは、気になることだけをキャッチしてそれ以外はリリースしてもいいのです。
ぼちぼちと0.1ポイントずつトレーニングしていきます。

笑いヨガは、笑えるための体の状態から整えて、体の変化から自分の感情に気づけるようになるとレジリエンスが鍛えられます。

レジリエンスも、ポジティブになることを目指すのではありません。自分のものさしを持つことを目指すのです。

 

笑いヨガも、レジリエンスも真剣に向き合うことは避けた方がいいと思います。真剣すぎると余裕が無くなり、楽しくなくなります。

 

誰だって失敗はたくさんするのです。
それは、最初から想定済のこととして、どうやったら自分にとって、豊かな毎日がすごせるのかが大切なのではないでしょうか。

レジリエンスと笑いヨガは、私にとっては自分を柔軟に、前向きにすべてを受け入れ楽しめる力を育む、たいへん役に立ったものでした。

ご参考になれば、幸いです。

 

(レジリエンストレーナー/笑いヨガティーチャー 清水素子)

1 個のコメント

  • とて参考になりました。
    地域で高齢者のかたの体力向上のためや認知症の方たちに笑いヨガをお届けする活動をしています。
    終わった後に感想をお聞きしているのですが、楽しかった。身体が温かくなった。深い呼吸して頭がすっきりした。等お話ししてくれくれますが、開始初めとは違って、みなさんが笑顔でお話しされています。それが何よりも私の喜びとなり、今回も私が一番楽しませていただいた!と幸福感に満たされています。相手を受容しきれてない時もあり落ち込むこともあるのですが、「まだまだ私に伸びしろがある」と捉えてこれからも毎日たのしく笑いヨガを通して過ごしていけそうです。
    ありがとうございました。

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