睡眠不足は「食事」が原因かも

早寝早起きを心がけていても、なかなか寝付けなかったり、朝はスッキリ目覚められないという人も多いはず。

質の良い睡眠に欠かせないのは「生活のリズム」と「運動習慣」。
それはわけっているけど、家庭や仕事の都合上、心がけていても、限界はあります。

快眠のためにできることのひとつとして、食事を見直してみてはいかがでしょう。

私は長年ショートスリーパーでしたが、短時間睡眠の危険に気づいてからは、毎日6時20分迄には起きて、朝の笑トレを続けています。

食事を意識するようになってから、睡眠時間がグーンと長くなり、朝の目覚めがとてもいいのです。

ただし、ここで紹介する食事は、誰でもに良い食事とは限りません。

一人一人体質も違えば、体の状態も違います。
減塩や筋肉増強や痩身のためのダイエット食とも違い、あくまでも快眠のために理想の食事についての記事になります。

腎臓食や塩分制限等の食事指導されている人には、お勧めできない食事ですので、自己判断せず、睡眠に良い食事を専門家と一緒に探っていってください。

ここでは、良く言われる快眠に良い食材を、食事メニューとしてご提案します。

 

1.なんといってもタンパク質

1-1.キーはトリプトファン

睡眠と食事の関係で、何を調べても一番に挙げられているのが「トリプトファン」でしょう。

トリプトファンというのは、必須アミノ酸のひとつで睡眠に必要なものです。

別の記事「睡眠時間確保は朝の運動習慣から!」で、朝の運動習慣こそが、睡眠時間確保には一番効果があり、セロトニンを分泌すると紹介しています。

セロトニンは、幸福ホルモンとも呼ばれる脳内神経伝達物質で、良い気分にしてくれます。
脳は緊張やストレスを感じるとセロトニンを分泌し、自律神経のバランスを整えようとします。
しかし、ストレスや疲労が溜まってしまうと、セロトニンの分泌量が減ったり、働きが制限されたりしてしまいます。

そのセロトニンをつくる材料こそが、トリプトファンなのです。

食べ物から摂取したトリプトファンは、日中は脳内でセロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化します。だから、トリプトファンが不足すると、不眠症や睡眠の質の低下を引き起こしてしまいます。

トリプトファンこそが、睡眠のカギを握るのです。

 

1-2.トリプトファンが多い食材とは?

それでは、何を食べればよいのでしょう。
何も特別なものはありません。私たちが普段から口にしているタンパク質です。

  • 豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品
  • チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品
  • 米・小麦胚芽などの穀物
  • ゴマ・ピーナッツ・アーモンドなどのナッツ類
  • バナナ

カツオやマグロなどの魚、豚や鶏のレバー肉は、米や豆乳といった食品より、圧倒的に含有量が多いです。
人によって必要な量が違います。当たり前ですが、ここに乗っている食材をひとつ食べればOKというわけにはいきません。

 

1-3.植物性か動物性? 

納豆や豆腐、みそ汁といった植物性のタンパク質でトリプトファンを接種する方が、動物性の肉より良いのではと考える人もいます。

動物性たんぱく質に含まれるBCAAという筋肉の分解を抑えるアミノ酸が、トリプトファンを脳へ取り込みにくくするので、植物性の方が良いと考えられているのです。

しかし、動物性たんぱく質も「炭水化物(穀類、いも類、果物など)」と「ビタミンB6」を一緒に食べると、血糖が上昇してBCAAが筋肉に作用し、脳内でのトリプトファンの合成が促進されます。

つまり、バランスよく主食・主菜・副菜を揃えて食事をすることで、必要とされるトリプトファンは摂取できます。

ちなみに、ビタミンB6は、鮭、さば、さんまなどの魚類、鶏胸肉やささみなどの脂身の少ない肉類、酒粕や抹茶、ゴマなどに豊富に含まれています。

食品添加物などの問題も考えられます。家族の好みもあるでしょう。

毎日同じものを食べるのではなく、いろいろなものを摂取するのが、安全で健康な食生活につながります。

 

2.朝食について

2-1.朝食はしっかり食べる

トリプトファンは、夜より朝にしっかり取りたいので、朝ごはんに肉、魚、そして炭水化物をしっかり食べることをお勧めします。

起きてすぐ軽い運動をし、お腹を空かして食事をすると、おいしく食べられるのではないでしょうか。

 

2-2.洋朝食

イングリッシュブレックファースト(イメージ)

 

英国式朝ご飯は、昔出張で泊まっていたロンドンのホテルのバイキングそのものです。
肉の他、豆やスクランブルエッグをトーストに乗せています。
植物性・動物性の両方の食品からトリプトファンを摂取し、炭水化物も加えられているので、睡眠には理想的な朝ごはんです。

ベーコンエッグ(イメージ)

たっぷりの卵とベーコン。もし、パンを食べたくない場合、フルーツを足すと、炭水化物が取れます。

 

2-3.和朝食

 

かつ丼朝食

ある日の筆者の朝食です。
この日はかつ丼に野菜の具沢山みそ汁、イチゴ入りヨーグルトです。

炭水化物が多くならないよう、ご飯は茶碗1杯よりやや少な目をカレー皿に敷いて、肉や魚をタップリ乗せます。
早食いにならないよう、噛み応えのあるみそ汁の具を工夫しています。

三食丼の日や牛丼の日もあります。

三食丼

牛丼

 

朝食をしっかり食べることで、体が日中仕様になり、コーヒーを飲まなくてもしゃっきりと起きられます。

朝から肉はつらいという体質の人は、体に優しい大豆中心の朝ごはんにします。

和食はそれなりに手間がかかるので、作り置きや前夜の夕食のアレンジ等、楽しんで工夫しました。

筆者は雑穀米、夫は白米と納豆で豆類を含んだ朝食

 

2-4.しっかり食べられない場合

朝食を準備する時間が少なかったり、朝食欲がわかなかったりする人もいます。

そんなときのお勧めは、バナナです。
バナナと牛乳(もしくは豆乳)だけでもいいですが、できればバナナジュースにします。
そこに、ゴマかきな粉、あるいはナッツ類を入れたら、トリプトファンも朝欲しい栄養も摂ることができます。

 

3.昼食について

3-1.炭水化物を控える

昼食を食べてしばらくすると、なぜかとても眠くなる。

若い頃はうどんと丼物の定食をしっかり食べていた人も、年齢を重ねてくると、だんだん昼食後にダルく感じるようになります。

昼食に丼物やうどん、パスタ等を食べた日に眠くなりやすいなら、炭水化物の摂りすぎによる、血糖値の乱高下が原因かもしれません。

ランチの炭水化物をひかえると、効果絶大です。

できるだけ定食を選びましょう。

 

3-2.ロカボランチ(低糖質メニュー)

パスタを食べる日は眠くなることに気づき、それからはロカボランチを選ぶようにしています。

写真は、お気に入りのカフェのロカボメニューです。
牛肉のソテーが、サラダの上にドーンと乗っています。鶏肉や豚肉のの日もあります。

健康志向の人が選ぶメニューなので、野菜のボリュームもあり、ワンプレートにスープがつきます。

とてもおいしく、玄米か白米のご飯を別注文することもできるので、ロカボの人じゃなくても注文しています。

 

忙しすぎて、ランチに外に出られない、適当なお店がないというときは、コンビニやスーパーのお惣菜でもOK。
ゆで卵やチーズ、ブロッコリーサラダといったアスリート食がいいと思います。

 

スーパーで購入したエビグラタンとあり合わせで作ったブロッコリーサラダ&インスタントのスープに野菜を足したもの

タンパク質と脂質をしっかり摂ると、炭水化物を食べなくてもお腹が空いてきません。

ゆで卵とサラダをお弁当に持って行く日もあります。脂質を忘れないように!

 

3-3.炭水化物を食べちゃったときは

会食や、職場の同僚と一緒にランチで炭水化物ガッツリの昼食しかない場合もあります。
たまにはお寿司やパスタといった炭水化物中心のメニューが食べたい日もあるでしょう。

その際もしできるなら、食後15-20分位早歩きをして、血糖値が上がり過ぎない工夫をしてみるのもいいでしょう。

笑い道のお勧めは、なんといっても笑トレです。

歩きながら、あるいはオフィスの隅で、携帯電話を取り出してください。
電話で話しているふりをしながら、3分間ただひたすら笑います。

小さな声でいいので、ハハハハと息を吐き、しっかりお腹を動かします。

マスクをしていたら、そんなに目立たないし、歩きながらだと不審がられることもないでしょう。

 

4.夕食について

4-1.夜はグリシン!

トリプトファンが、良質の睡眠には必須と最初に書きましたが、夜はアミノ酸であるグリシンを摂ることが、快眠の秘訣です。

グリシンは、体内時計に作用し、睡眠のリズムをうまく調整すると考えられています。

グリシンは、セロトニンを増加させ、抗うつ効果を持つとの報告があります。

それだけではなく、美肌効果も言われています。考えてみれば、睡眠不足は肌に悪いですよね。
ぜひ夜はグリシンを含む食事をしましょう。

 

4-2.グリシンが摂れる食材とは!

 

  • 牛すじ・豚足・鳥軟骨などの肉類
  • エビ・カニ・ホタテ・イカ・カジキマグロなどの魚介類

 

不眠で困っている人は、グリシンのサプリ(粉末)を飲むこともあります。
夜寝る30分前に3gをしばらく続けると、不眠に効果があり、日中の作業効率が上がるといった研究結果があります。

グリシンは、味の調整等に食品添加物としても使われています。
知らないうちに摂っているかもしれません。
過剰にならないよう、まずは食品から摂取することをお勧めします。

 

4-3.夕食のメニュー提案

 

お刺身、天ぷら、おでんといったメニューであれば、グリシンを含む食材を摂りやすいです。

ご飯は少なめ、具沢山のお味噌汁も一緒に召し上がってください。
夜、食事と一緒にお酒をいただくこともあります。

アルコール飲むと、眠りやすい印象ですが、実は質の良い睡眠のためには、アルコール摂取の工夫が必要です。

 

薬を飲むよりアルコールの方が安全と考える人もいますが、アルコールは眠りを浅くし、目を覚ます回数が多くなります。
また、お酒が習慣になっていて、休肝日に眠れないアルコール性の不眠になったり、寝酒でアルコール依存症になる危険もあります。

 

飲むなら、寝る時間いアルコールが抜けるようにしてください。
他の飲料もそうですが、寝る3時間前位迄に飲食を終えるのが良いようです。

筆者はワインで、夫はごはんと味噌汁でいただきました

 

 

5.睡眠のための食事のポイント整理

 

長年不眠とつきあってきた私は、栄養の専門家ではありません。
どうか、ご自身の体質やライフスタイル、あるいは健康状態あった快眠法を見つけてください。

 

  1. 朝ごはんはしっかり食べる
  2. 朝はトリプトファン!夜はグリシン!
  3. カフェインの摂りすぎ注意!
  4. 寝る3時間前には飲食を終える
  5. 薬の副作用かも! ドクターと相談を。

 

最後に、笑いはセロトニンの分泌に有効な方法です。
おもしろさを感じなくても笑える方法、笑いヨガで、食欲を正常化させてください。

 

日本笑いヨガ協会 https://waraiyoga.org

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