あなたの脳のしつけ方(後編)

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脳科学者の中野信子さんの著書に『あなたの脳のしつけ方』という著書があります。

たくさんの人に「笑い」を教えてわかったことは、同じ講座を受けても受け取り方は人それぞれなのです。その人の背景や環境も影響しますが、それぞれの人の脳の使い方にクセがあることがわかりました。

この記事は、オンラインサロン笑い道で連載しているメルマガ「エンジョイライフPartⅡ」で「脳のしつけ方」というシリーズで書いたことを、2020年12月5日のサロン内のライブで話した内容のまとめです。

中野さんの本を参照させていただいていますが、本のレビューではありません。

笑い道流、脳のしつけ方をお楽しみください。

後編は、ネガティブになる要素である「記憶力」と「やる氣」について、お伝えします。

(脳のしつけ方前編はこちらから) 

 

1.記憶力

1-1.年齢で記憶力は落ちるのか

年齢を重ねてくると、自分に自信がなくなったり日常生活がちょっと不便になるのが「記憶力」です。

年齢が高くなればなるほど、記憶力は衰える。そう思っているかも知れませんが、必ずしもそうではないのです。

たしかに、「ほらほら、アレ、アレ!」が増えてきます。

若い頃記憶力の良いのが自慢だった人ほど、その衰えにがっかりくるかも知れません。

中野信子さんの著書『あなたの脳のしつけ方』の中では、人は年齢を重ねても決して”記憶力“そのものが落ちるわけではない。
脳の記憶を保管するデータベースを「箱」にたとえるなら、容量事態は変わらないものの、その”入口“が狭くなるからだと書かれています。

入口が狭くなることで、ものを入れづらくなる。だから、年をとるとモノが覚えられないというよりも、そもそも脳がものをあまり覚えようとしなくなるというのです。

 

それでは、なぜ記憶の箱の入り口が狭くなるのかも、下記のように書かれています。

それは、脳を動かすにはかなりの酸素と栄養が必要になり、できることなら余計な働きは省略し、できるだけリソースを節約したいらしいのです。

年齢を重ねるて様々な記憶が箱を満たすようになると、新しい経験に対して「これはもう必要な情報ではない」と判断して、記憶の箱に入れないようにするのです。

脳が拒否しないためには、憶えたいことを「エピソード記憶」として記憶することが有効であると述べられています。


意味記憶
とは、言葉の意味をあらわす知識や記憶のことで、エピソード記憶とは、自分が体験したことや感じた感情、イメージなどがもとになって記憶さられることです。

エピソード記憶として覚えることで、憶えやすく長く記憶が定着します。

また、イメージ力を使って視覚化した情景をありありと感じたり、その体験の感情を伴うものとしたとき、記憶しやすくなります。

 

1-2.記憶の検索

人生が長くなると、過去の記憶の総量が増えます。

そこで、覚えていたはずのことが、肝心のときに出てこないということが起きます。
人の名前、ピッタリな言葉があるのがわかっているのに思い出せない、漢字・・・・etc.

脳の容量に対して、データベースがいっぱいになってしまったため、いざ取り出そうというときに、見つかりにくくなっているのです。

あなたの脳のしつけ方(前編)」で、ブレインダンプをご紹介していますが、どんな方法でもいいので、自分にとって大切なもの、優先すべきものを見つけ、どうでもいいもので記憶容量をいっぱいにしないように気を付けるべきではないでしょうか。

もうひとつ大切なことは、なるべく普段からよく検索をかけておくことです。

つまり、何度も繰り返してそのことを思い出すようにするのです。

翠潤一(みす じゅんいち)さんという方がいらっしゃいます。彼は、1926年生まれですが、ものすごく記憶力がいいのです。
1週間ボランティアや運動教室等でほぼスケジュールが埋まっているのですが、間違えることなく出かけ、しっかり活動しています。
知的好奇心がたいへん高く、記憶力抜群です。笑いケア体操サポーターとして、リードも的確です。

その彼は、1週間のスケジュールを暗記しています。さらに、何かがあると、予習してそれに臨みます。

たとえば、高田佳子講演会が近隣の市町村であると、予定に入れてくださって、何日も前から私の本や私の前までの講座資料をもう一度読み返してから参加します。

試験勉強のノウハウなどで良く例に出される「エビングハウスの忘却曲線」によると、人の脳は1度勉強したことを1時間後には56%忘れ、1日後には74%忘れるのだそうです。

だから、学んだ直後に復習し、さらに24時間以内にもう一度復習することが大事だということが言われています。

個人差はありますが、「時間が経つほど記憶は減る」というのは年齢にかかわらず自然なことです。

大切にしたいことを、反復していつでも記憶が取り出せるように脳のメンテナンスをすることが大切です。

 

2.心のブレーキを外す

2-1.アイデアの出し方

アイデアがある人、無い人、どこが違うのでしょうか?

「右脳(創造)型」「左脳(論理)型というけれど、実は脳科学的には信憑性がないもので、血液型判断と似たレベルのものらしいです。

アイデアが豊富に湧き出ている人というのは、特別ではありません。

実は誰でも常にいろいろなアイデアが沸いて出ているのだそうです。

しかし、それを口に出していうのをやめてしまうのです。

口に出すことができるのが、アイデアがある人、アウトプットできない人がアイデアが無い人ということになります。

それでは、なぜ自分が思いついたことを言葉に出したりSNSなどでアウトプットできないのでしょうか。

それは、「恐怖心」がブレーキをかけてしまうからだといいます。

自分にはとてもできないのではないか!
こんなこと言ったらバカにされるのではないか!
と、怖気づいてしまうのです。

心のブレーキが、せっかくのアイデアを無意識のうちになかったことにしてしまいます。

 

2-2.心のブレーキの外し方

それを防ぐ、第一歩は、自分の考え方や思考を客観的に見るクセをつけることが大切です。

「アイデア」はアイデアです。「自分」とむすびつけない方がいいようです。

たとえば、歯医者さんで予約時間に行ったのに待たされた患者が、次の予定でもあるのか、焦ってイライラしながら受付女性をどなりつけていたとします。

彼女が焦って平謝りです。受付担当者に落ち度はなくても、この場合医院代表として謝罪します。

待たせた歯医者さんも、おそらく想定外の治療が必要だった患者さんがいるのでしょう。

時間通りに治療を受けられなかった患者さんは、彼女の人格を否定したわけではないのですが、理不尽なお叱りを受けたとき、必要以上に自尊心をボロボロにしてしまう人がいます。

今の患者の怒りの矛先は自分への攻撃ですが、実は客観的にみたら、個人への攻撃ではありません。
客観的に見るというのは、こういうことです。

心に降りてきたアイデアは、まずは口にしてみることが大事です。

口にしてバカにされたら・・・!と思うかも知れませんが、他の人はあなたのことをそんなに考えていません。
言って失うものはほとんどないのです。

反対されたとしても、そこから議論が深まり自分自身の成長のチャンスになる場合もあります。

また、協力者や応援者が現れることも多いのです。

また、アイデアというのは全く新しい創造的なものは、ほとんどありません。これまであったものの応用であったり、組み合わせなのです。

たいしたアイデアは、ほとんどないという前提で、思いついたら、口に出してみましょう。そして行動してみましょう。

何かいいことを思いついたら、心のブレーキを踏んでいないか、客観的に自分を観察してみてください。

 

3.脳に酸素と栄養を届けるために

先に脳を動かすためには、酸素と栄養が必要になると書きました。

脳の働きを良くするために、最後に酸素と栄養を脳に届けるための笑トレの体操をご紹介します。

【ジョギング笑い】

脳に血液を届けるためには、有酸素運動が一番です。有酸素運動であるジョギング笑いをやってみてください。

★ジョギング笑い映像 『笑いヨガで超健康になる』より

 

【ライオン笑い】

表情筋をしっかり動かすと、脳にも血液が届きやすいと言われています。口の周りの筋肉や、目の周りの筋肉をしっかり動かす運動をやってみましょう。

★ライオン笑い映像 『笑いヨガで超健康になる』より

映像は、『笑いヨガで超健康になる!』(マキノ出版)の付属DVDです。

 

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