(笑い人)毎日ニコニコごきげんの秘訣

毎日ニコニコごきげんの秘訣

2023年4月のオンラインサロン笑い道のルナ会の話題提供は、木下尚子さん。

木下尚子さんは、2020年コロナ禍が始まりオンライン講座で笑いヨガリーダー養成講座を受講し、同年笑いティーチャー養成講座にも参加されました。その後、地域でユニークな笑いヨガ活動を意欲的に展開されています。

実は職業は、静岡市清水区にある白華山禅叢寺の「寺の嫁」なのです。

主婦業に加え、お寺の裏も表もたくさん業務をお持ちです。超多忙のところ、参加者からの質問に答える形でルナ会の話題提供者を引き受けてくださいました。

 

質問1 なぜそんなにいつも元気で笑顔でいられるのでしょうか?

いつもニコニコしているのは、もちろん楽しいから!

もちろん大変なこともあれば、ニコニコしていられないこともあります。しかし、生まれたときから、たくさんの人に育てられました。私とかかわってくださった方皆さんから、力をいただけていると思っています。

 

私は京都の寺の娘として生まれました。年子の兄がいるのですが、女の子が生まれ、父はとても喜んだそうです。明日母子共に退院という日の夜、父が奈良県で交通事故にあい、意識不明の重体になりました。若い母は、退院後すぐに私を寺に置いたまま、父の病院につきっきりになってしまったのです。

母は、当時まだ21歳。生まれたばかりの私とまだ1歳の幼い子2人を残して家を離れるのは不安だったと思いますが、意識不明が1か月も続く夫のそばにずっといて看病したのです。

 

それが出来たのは、お寺にはたくさんの若い修行中の僧侶がたくさんいたからです。小僧さんたちはみんな若いのですが、ミルクを作ってくれたり、おむつを替えてくれたり、10人ほどの方が、慣れないながらも一生懸命私の世話をしてくれたのです。

 

幸い父は生還することができました。私は両親に加えて、これまでたくさんの周りの人に育てられ、助けてもらい、今日まできました。助けてくださった皆さんの力が全部私の中でエネルギーになっているので、いつも元気でいられるのだと思って感謝しています。

 

質問2 結婚当初から、そんなにのびのびしていましたか? 寺の娘が寺の嫁だから、仕事は慣れていたのですか?

のびのびしていたかという質問に対しては、のびのびしていたと思います。両親がそのように育ててくれたからです。
そして、結婚してすぐに馴染みました。

 

しかし、私は大学を卒業してから銀行員としてお勤めしていたので、寺の娘とはいえ、寺の仕事は慣れていたとはいえません。

しかも、実家の寺には檀家さんがいませんので、檀家さん対応は未経験で、同じ寺といっても勝手は違いました。寺に限りませんが、それぞれの家庭の文化というものがあり、違いは多かったです。それが苦労であったかというと、そうでもないです。

 

義母は、とても几帳面な人です。私は整理整頓が苦手。洗濯物のたたみ方等、義母はやり直してくれたり、やってくれたりしました。きれいにやっていただいて、ラッキーと思っていたので、ストレスはありませんでした。

 

もちろん苦労もあるし、思いもよらないハプニングに見舞われたこともたくさんあります。

 

長男を産んだ日は大雨でした。破水して病院に急いだけれど、道路が冠水して車が水没してしまい、エンジンが止まってドアを開けたら車の中に水がドッとはいってきて車を置いたまま避難しました。すぐに避難できたのがなんとラブホテルでした。
出生地ラブホテルはどうしても避けたくて、救急車を呼びましたが、来てはもらえませんでした。自分たちの車を放置し、知人に助けてもらってやっと病院にたどりつけ無事出産。しかし、放置した車は流されて、どこかの畑に落ちてしまって廃車です。

 

役所に連絡したらそのままにしておくように言われました。処理はしてもらえ、しかも車は保険で新車になりました。

 

家族は夫婦と3人の子ども、義両親、そして義父の妹の8人でした。

義父は6年介護しましたが、最期は脳梗塞で倒れて意識がもどらず7カ月目に亡くなりました。義母は8年半、叔母は4年、それに加えて別に住んでいた義父の姉もアルツハイマーを発症したのでお寺に戻っていただき、4人の介護をしました。

もう、いよいよのときは、もちろん病院に頼りましたが、全員なるべく家で暮らせるようにお世話をしました。入院したときも、3か所の病院のハシゴが日課だったこともあります。

 

朝4時から起きてお風呂に入れたり、ご飯作ったりの主婦業が、寺の仕事に加わります。義父は減塩食、子どもの一人が1才10カ月の時に小児糖尿病(1型糖尿病)を発症し、インスリン注射とカロリーの決まった食事を毎日作っていました。人数も多いので、それなりに大変でした。
しかし、それがストレスだとは思っていませんでした。私は今、修行をしているのだと思ってやっていました。

 

修行と考えているので、全てを受け入れ、心は元気でずっとニコニコしていることはできました。

しかし、介護時にメニエールや線維筋痛症を発症しました。

 

病名が付いた病気なのに、介護をしていた人が入院したらスッと消えたので、自分ではストレスだと思っていなくても、案外ストレスは大きかったのかもしれません。

 

 

質問3 睡眠時間は確保できているのですか?

今は11時就寝、5時起床なので十分睡眠時間は確保できていると思います。

 

子どもが1歳10か月で小児糖尿病がわかりました。最後までインスリン生活になると言われ、一瞬目の前が真っ暗になったけど、家族が多くてやることが多く、落ち込んではいられません。

 

子どもの頃は2時間毎に血糖値を計っていました。夜も2時間毎に起きるし、子どもが少しふるえるだけでビクッとして起きるという生活が、小学校6年生まで続きました。

 

何かがあると困るので、小学校のときはもちろん、中学校の修学旅行も子どもたちに見えないよう、ついていって宿の別の部屋に泊まっていました。山へ行くような行事では、その地域のドクターヘリを調べてすぐ手配できるよう、段取りしていました。

 

彼は、今は元気にしています。

 

今は、どんなに忙しくても、そこ頃に比べたらとても楽で、今はしっかり眠れていると感じています。

 

 

質問4 お寺での笑いヨガ、地域での笑いヨガ、とてもうまくいっているように見えますが、成功の秘訣は何ですか

元々は、友人の看護師である七瀬恵ちゃんが勤務する病院や老人福祉施設で、私はタオル体操などのボランティアをしていました。

 

コロナ禍が始まり、そうした施設には外部の人間は入れなくなりました。
恵ちゃんが、自分で笑いヨガを習うというので、私も一緒に2020年の9月、笑いヨガリーダー養成講座をオンラインで受講しました。

 

彼女は、学んですぐ翌日に病院で試したのです。ものすごく良い結果が出たということで、富士吉田市で開催される笑いヨガティーチャー養成も受講するというので、同年11月、私も一緒に受講しました。

講座が終了してすぐお寺でやってみました。一番最初は、お寺のスタッフさんにつきあってもらったりしました。練習台にしたのですね。

「ご詠歌の会」の方々は、私が富士で笑いヨガティーチャー講座を受けるというと、とても楽しみに待っていてくださり、やってみたら大喜び。腹式呼吸が楽にでき、声が良く出るようになったというのです。普段の生活で笑いが減っていましたので、たいへん喜んでいただくことができました。

そのうち、お寺で笑いヨガを定期的にやるようになりました。「ご詠歌の会」の方が、お友達やラジオ体操の仲間を連れてきてくださいます。お寺とは関係なく、一人二人と増えてきました。参加した人が元気になるので、その変化を感じた人が来るという感じでしょうか。地域のFMラジオの番組に定期的に出演させていただいたり、新聞で紹介していただきましたが、特に宣伝をしたわけでありません。

 

初めてきた人も、、皆がカラフルなTシャツを着て楽しそうにやっているのをうらやましそうにするので、Tシャツをお貸しすることもあります。普段は絶対着ないような大胆なカラーを着るだけで元気アップを感じていただけます。
皆さん欲しいようなので、時々日本笑いヨガ協会から私が取り寄せ購入します。皆さん家からそのTシャツを着て、手押し車を押して元気に歩いて来てくださっています。

 

お寺の本堂でやるので、遠慮なく声を出せます。寝転がって笑ったり、そのままリラックスできたりと、とても好評です。

毎回写真を撮り、その写真で次回迄にポスターを作ります。A4のサイズ1枚のレポートは、毎回皆さんに渡しています。

 

ご要望に応じて今は、夜の部もやっています。

時々地域の講座にお招きを受けて、出張笑いヨガもやっています。

 

定期的に訪問しているのは、同じ清水区にある就労継続支援B型事業所の、Canvasさんに毎週通って皆さんと一緒に20-30分間笑いヨガをやっています。

ここは、高校を卒業したばかりの人から、社会人のベテランの人も一緒になって、とても美味しいコーヒーを作っています。

数か月続けているうちに、2022年10月に「チャレンジバリスタ」というコーヒーの全国大会がありました。そこで、彼らはスマイル賞を受賞しました。笑顔でコーヒーを入れている姿が評価されたのです。私にとっては、コンクールで優勝するより嬉しい賞でした。

私は2023年3月、骨折して残念ながらCanvasさんの定例笑いヨガに行けなくなりました。

すると、Canvasの皆さんが交代でお見舞いに来てくれたのです。そして、私のためにオリジナルのコーヒーを持ってきてくれました。

 

笑いヨガをやることで、すごく嬉しい体験をたくさんさせていただいています。笑いヨガは、私が主催したり笑いヨガセッションを提供したりしていますが、一緒に笑っている人からいただけるものがとても大きく、いつもワクワクする時間を過ごせています。

 

 

質問5 ご家族は、お寺の笑いヨガに理解があるのですか?

うちのお寺禅叢寺では、定例座禅会や呼吸法レッスン、お茶の歴史を学ぶ茶禅の会、太極拳等いろいろな取り組みをやってきました。また、白隠和尚が最初に修行をした寺として知られていて、それにちなんだイベントでは、170人もの人に来ていただいたこともあります。

 

そうしたご縁があった方も、笑いヨガに来ていただいていますし、笑いヨガに参加されたことで、他の取り組みを知ってもらったりもしています。

 

和尚さんは、静の人。瞑想座禅や絵画等、静かに集中してやることが得意です。

私は笑ったり踊ったりとするのが好きな動の人。

 

趣味やセンスは違うのですが、二人ともお寺が地域の中でお役に立てる存在であることを、大切にしています。

 

日本中、大きな災害にいつおそわれるかわからないと警告が発せられていますが、ここ静岡も例外ではありません。

2022年の台風15号の断水時。井戸水を誰でも利用できるよう常備

そのときに、お寺がお役に立つ場であることを、常日頃から考えています。断水の時には、井戸から水を汲んでどなたにでも持ち帰っていただけるようにしました。

災害時にお役に立つためには、やはり普段から、顔を合わせて地域の人と一緒に何かをやっておく必要があるということは、夫婦の共通の認識です。だから、たくさんの人が集まって笑顔になり、元気になる笑いヨガは応援してくれています。

 

夫婦でやることは違うけど、求めるところは同じなのです。

 

即断即決、即行動。

 

そうしてつないできたご縁が、続いていて、これからも続き何かの時に備えておく。

 

なんでもない人生ですが、毎日とても楽しいです。

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

 

この他に、ご実家のお話、お父様の教育、お母様の最期、お孫さんの話等、ご紹介したい楽しい話が、質問に応じて次から次に出てきたのですが、文字数の都合で全部はご紹介できなかったこと、お断りしておきます。 

オンラインサロン笑い道では、ルナ会に参加でき、アーカイブもご覧いただけます。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です