笑いヨガの満足度01:笑いクラブ編

“満足”を持ち帰ってもらえる笑いクラブとは

ー笑いクラブの満足度

笑いヨガの満足度は、単純に「たくさん笑えたか」「楽しかったか」だけで決まるものではありません。

どのようなことを期待して参加したかにもよりますが、

「身体が変わった」
「気分が変わった」
「人とつながれた」
「自分にもできた」
「また参加したい、また会いたい人がいると思った」

といった、いくつもの実感が重なって、笑いクラブの満足度がつくられます。

笑いクラブに参加することと、講演や研修で笑いヨガを体験することとでは、満足につながるものも異なります。

今回は、笑いクラブに参加する人が、どのようなことに満足を感じるのか。そして、「今日も来てよかった」という思いを持ち帰ってもらうために、何が必要なのかを考えてみます。

1.笑いクラブとは

笑いクラブは、非営利・非政治・非宗教で、定期的に笑いヨガを行う任意の集まりです。

日本笑いヨガ協会の高田佳子は、笑いヨガを学んでインドから帰国した後、東京の根津神社で笑いクラブを始めました。

根津神社では、毎朝6時30分から、100人ほどが集まってラジオ体操をしていました。

そこで、ラジオ体操が終わる6時40分から7時まで、笑いヨガを行うことにしたのです。

笑いヨガ発祥の地であるインドでは、公園や海岸、団地の集会室などに人が集まり、毎日決まった時間に笑いヨガを行っていました。

それを見て、高田は「これは日本のラジオ体操と同じだ」と感じました。

日本や欧米では、週に1回、あるいは月に1回開催する笑いクラブも多くあります。

一方、インドの笑いクラブは、毎日の生活習慣として始まったものでした。

ただし、決まった場所で、決まった時間に開催していれば、自然に人が集まり、活動が続いていくわけではありません。

根津神社の笑いクラブも、最初から順調に仲間が増えたわけではありませんでした。

では、参加者が満足し、「また来たい」と思う笑いクラブは、どのようにつくられるのでしょうか。

2.「ここに来ると調子がよくなる」

笑いクラブで参加者が感じる満足のひとつは、心身の変化です。

「身体が温まった」
「呼吸が楽になった」
「声が出るようになった」
「怒ることが少なくなった」
「肩こりが楽になった」
「終わった後、シャキッとする」

こうした自分でわかる変化が、「今日も来てよかった」という満足につながります。

大切なのは、リーダーが健康効果をたくさん説明することではありません。

参加者自身が、始まる前と終わった後の違いを感じることです。

そのためには、笑いの体操を次々と行うだけでなく、途中で身体の状態を確認したり、終了時に感じたことを振り返ったりする時間も必要です。

「来たときよりも、少し調子がよい」

その小さな実感の積み重ねが、笑いクラブに通い続ける力になります。

3.運動が苦手でも、だいじょうぶ

一般的な運動では、速さ、回数、柔軟性、体力、技術などの違いが見えやすいため、苦手意識を持つ人もいます。

運動に自信のない人は、

「皆についていけない」
「自分だけできない」
「迷惑をかけてしまう」

と感じることがあります。

笑いヨガには、本来、上手下手がありません。

膝や腰の調子が悪くてもできます。

動きを正確に覚える必要もありません。

大きな声で笑う必要もありません。

立っていることが難しい人は、椅子に座ったままでも参加できます。

参加者が満足を感じるのは、難しい動きができたときだけではありません。

「自分も一緒にいていいんだ」
「自分なりに参加できた」

と感じられることが大切です。

身体の状態や体力に違いがあっても、一緒に参加できる。

迷惑をかけるのではないかと、心配しなくてもよい。

それが、笑いヨガの大きな魅力です。

だからこそ、リーダーは大きな声で笑うことや、アイコンタクトを強要しません。

それぞれの参加の仕方を認め、歓迎することが大切です。

4.仲間に会える

笑いクラブを続けている人にとって、人とのつながりが楽しみになることがあります。

最初は「笑いヨガをやりたい」と思って参加した人も、続けているうちに、そこで出会う人たちに会うことが楽しみになっていきます。

日本笑いヨガ協会は、かつて水道橋にあった笑いヨガスタジオ「笑い場」(2020年コロナ禍で閉鎖)で、笑いクラブを開催していました。

午前のクラブは、10時から11時20分まででした。
近くの飲食店は11時30分に開店するところが多かったため、終わった後に、皆でランチに行きやすい時間にしていたのです。
笑った後、一緒にランチをすることを楽しみに参加している人も多くいました。

夜の笑いクラブでは、終了後にメンバー同士で飲みに行ったり、一緒に遊びに行ったりすることもありました。

必ずしも、笑いクラブの主宰者が、その交流の中心になる必要はありません。

ある地域の笑いクラブでは、そこで出会った同世代の男性たちが仲よくなり、毎月一緒に飲みに行くようになりました。

現在、日本笑いヨガ協会には、定期的に笑いヨガを行うスタジオはありませんが、「特別体験会」として、1回限りの笑いクラブを開催することがあります。

そこで出会った女性二人が、その後一緒に食事やお酒を楽しむ友人となり、短期の仕事も一緒にしたという話を聞きました。

「笑って楽しく過ごすことを選ぶ」

そのような価値観を共有できることが、人間関係の始まりをつくりやすいのかもしれません。

5.安心して自分を出せる

笑うことは、少し無防備になる行為でもあります。

初めて参加する人の中には、

「知らない人と笑うのは恥ずかしい」
「変な人だと思われないだろうか」
「うまく笑えない」

と感じる人もいます。

無理に笑う必要はありません。
大きな声で、元気に、明るく笑う必要もありません。
うまく笑おうとしなくてもよいのです。

無理をしない。
自分の身体の状態を大切にする。
人のことを笑わない。

こうした姿勢を共有し、安心して参加できる場をつくることが大切です。

格好をつけなくてもよい。
元気なふりをする必要もない。

「今日は元気がないから、笑いクラブには行けない」ではなく、
「今日は元気がないからこそ、行ってみよう」
と思える場であってほしいのです。

満足度の高い笑いクラブとは、全員が大笑いし、運動の達成感を味わうクラブとは限りません。

笑いたい人も、まだ笑えない人も、安心してその場にいられるクラブです。

6.自分にも役割がある

笑いクラブでは、主宰者だけがサービスを提供し、参加者がそれを受け取るという関係ではありません。

長く続いている笑いクラブでは、参加者も一緒に場をつくっています。

誰か一人の負担が大きくなると、活動を続けることが難しくなります。

  • 椅子を並べる。
  • 初めて来た人に声をかける。
  • 困っている人をさりげなく気遣う。
  • 季節や地域の話題を紹介する。
  • 皆で笑える、おもしろい話を持ってくる。
  • 友人や家族を誘う。
  • 笑いの体操をリードする。
  • 終了後の片づけを手伝う。

こうした小さな役割を、義務ではなく、できる人ができる範囲で担うことが大切です。

役割を持つことで、参加者は、

「自分も、このクラブをつくっている一人だ」
「自分も誰かの役に立っている」

と感じることができます。

リーダーが一人ですべてを準備し、片づけ、一人で盛り上げようとしていると、参加者はいつまでもお客様のままです。

参加者が受け身ではなくなり、一緒に場をつくるようになることで、笑いクラブはその人の居場所になっていきます。

7.日常生活にも役立っている

笑いクラブの価値は、クラブの時間だけ楽しく過ごすことではありません。

参加することで、日常生活にも変化が表れることです。

「気持ちの切り替えが上手になった」
「テレビや会話の中でも笑いが増えた」
「朝、短い時間でも笑う習慣ができた」
「家族や近所の人との会話が増えた」
「以前より外に出るようになった」

このような変化が起きると、笑いヨガは、日常生活に活かせるものになります。

笑いクラブが、「その時間だけの楽しいイベント」から、「笑いのある毎日をつくる生活習慣」へと変わっていくのです。

8.笑いの量だけを追いかけない

笑いクラブの満足度を高めようとして、おもしろい笑いの体操を考えたり、ゲーム、踊り、歌など、次々と新しいことに挑戦したりする人もいます。

もちろん、工夫や変化も必要です。

ただし、参加者が本当に求めているものは何でしょうか。

飽きないように工夫しているつもりが、かえって落ち着かないプログラムになっているかもしれません。

毎回、違う笑いの体操を求めているとは限りません。

むしろ、同じ笑いの体操を行うことで、参加者が自分の身体に意識を向け、その日の体調や前回との違いに気づくこともあります。

何笑いをするかは、それほど重要ではありません。

笑いの体操を何種類行ったか、何分間笑ったかだけで、笑いクラブの価値を測ることはできないのです。

一人で60分間、身体を動かしたり笑ったりすることは、簡単ではありません。

しかし、笑いクラブには仲間がいます。

一緒に身体を動かし、一緒に声を出し、一緒に笑うからこそ、続けられることがあります。

その場に集まる人たちと一緒に過ごすこと。

自分の身体や気分の変化を感じること。

安心して参加できること。

そうしたことが、笑いクラブの満足度につながります。

9.また来たいと思えるクラブへ

笑いクラブの満足度をまとめると、次の6つになります。

安心して参加できた。
心身の変化を感じた。
自分なりに参加できた。
人とのつながりを感じた。
自分の居場所や役割があった。
日常生活に役立つと感じた。

参加者が大笑いしていたからといって、必ずしも満足しているとは限りません。

珍しい体験に対する、その場だけの反応で、継続にはつながらないこともあります。

一方で、大きな声を出さず、表情豊かに笑っていなかった人が、

「今日は来てよかった」
「皆さんの顔を見られて安心した」
「また来たい」

と思って帰ることもあります。

笑いクラブが提供しているのは、笑うための場所だけではありません。

人が元気になり、ごきげんになる場所。

人とつながり、自分らしくいられる時間。

そして、笑いを日常に持ち帰るための場所です。

参加者に、“満足”を持ち帰ってもらえる笑いクラブになっているか。

参加者の表情や言葉、継続して参加している様子を見ながら、一度振り返ってみてください。

 

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