おまつりで笑いヨガ
たくさんの人が集まるおまつりのような場所で、笑いヨガはすごく喜ばれます。
地域の秋祭り、健康まつり、公民館祭りのプログラムのひとつとして、笑いヨガを取り入れたら、イベントが盛り上がり、みんなが楽しく元気になります。
そういうわけで地域で笑いヨガをやっている方々にお声がかかることは多いと思いますが、この記事は、おまつり(不特定多数のイベント)で笑いヨガをやる際に、気を付けなければいけないポイントについてまとめました。
一番大切なことは、おまつりに来る参加者は、不特定多数であるということです。
そこを、意識するということで、成功の確率はあがります。
笑いクラブに来る人は、笑いヨガに興味があります。おまつりの参加者は、笑いヨガに興味があるとは限りません。笑いヨガに興味がない人や、笑っている様子を一目見てやりたくないと感じる人もいるかも知れないという前提で、笑いヨガを提供する必要があるということです。
地域のおまつりだけではなく、イベントの中で、初めて笑いヨガを頼まれた人が、どう準備して、心構えをするのかを書いてみました。
目次
失敗する3つの原因
1.「賑やかし」にピッタリだと思われている
笑いヨガは、年齢が高い人でも楽しそうに参加していて、皆が元気になっていくものです。
新聞記事やテレビで笑いヨガを知った人は、カラフルなTシャツで笑顔でいっぱいの様子を見て、笑いヨガが良いと思ったかもしれません。
たしかに、笑いヨガはみんなが声を出して笑い、楽しい雰囲気づくりにはピッタリです。
しかし、宴会の余興のように思われていたら、期待外れになってしまう場合もあります。
2.笑わせてもらえると期待される
ストレス社会の今日、笑えない人が多いです。地域には、高齢者の一人暮らしが増えていています。
おまつりの主催者・担当者が「笑う機会を提供したい」と思われる場合があります。
確かに笑いヨガをやると、たくさんの人が一斉に笑います。笑った後は会話も弾み、お祭りにはうってつけです。
しかし、笑いヨガリーダーはプロの落語家や漫才師ではありません。
笑わせてくれるのだという期待を持たれたり、笑わせてもらおうと受け身になられると、これまた期待外れになってしまう可能性があります。
笑いヨガは、期待ユーモアや冗談で笑わせるものではなく、エクササイズとして自発的に参加し、笑う動作をするエクササイズであることを、主催者側に理解しておいていただきましょう。そして、スタッフに協力していただく場合もあることを、伝えましょう。
3.皆が喜ぶと思われている
笑いヨガであれば、老若男女問わず、皆が喜ぶと考える人がいます。
年齢や性別にかかわらず、皆ができることは事実です。
しかしながら、笑いヨガリーダー養成講座で学んだ内容をそのままやって通用するのは、笑いヨガを体験したい人が集まる笑いクラブだけです。
おまつりに集まる人は、何を期待しているのか、どんなお悩みがあるのか、自分自身にどんな変化が起きたら喜ぶのでしょう。
予想するしかありませんが、予想も情報があれば、やりやすいです。
どんな人が集まってくるのか、どういう地域柄なのか、できるだけたくさんの参加者の情報を集めておきましょう。
また、参加者全員を満足させることは、あきらめてください。誰だって好き嫌いがあります。
笑いヨガをその場で理解し、参加してもらうために、最善を尽くすとしても、笑いヨガを否定的にとらえる人が目の前に現れるかも知れません。奇異な目でみたり、あきらかにネガティブな反応をする人がいるかも知れません。ちゃんと笑いヨガリーダーを見ているにもかかわらず、笑わなかったり無表情な人がいるこもあります。どんなときでも、心が折れないメンタルを持ち続けましょう。与えられた時間内は、最初から最後まで、楽しくやりきることが大事です。
できるかどうか、リサーチしよう
来た依頼はスケジュールが許す限り全て受けると決めている笑いヨガリーダーもいます。
私(執筆者の高田佳子)は、笑いヨガがふさわしくないことや、自分のできないことは、お断りする勇気も大切だと考えています。
自分だけではなく、参加者にとっても時間は貴重です。お互いに価値ある時間になる場合にのみ、受けてください。
1.エンターテインメントではない
笑いヨガは、5分でも120分でもできます。エンターテイメントではなく、エクササイズの一種であり、心身の健康に良いものであるというコンセプトでやります。依頼者とイベント責任者に理解してもらい、健康法として提供しましょう。
おまつりの中のプログラムとして、笑いヨガが比較的長い時間(20分~90分)入れる場合と、スキマ時間に笑いヨガを入れる場合があります。
前者は、案内チラシや当日プログラムといった印刷物や看板の中に笑いヨガが明記される場合があります。オープニングやクロージングのアトラクション、もしくはスキマ時間に笑いヨガを依頼される場合もあります。
いずれにしても、着ぐるみや落語のような「エンターテイメント」として扱われ、笑わせてくれるものという扱いのときは、お断りします。
(実際に笑わせることはできたとしても、自分が伝えたいことが伝わらないかも)
2.どんな環境なのか
笑いヨガは、心と体が同時に元気になるエクササイズです。おまつりというシチュエーションの中で、与えられた状況をしっかり把握しましょう。
- 座席はあるのか、立ったままやるのか
- 参加人数に相応しいマイクやスピーカーといった適切な音響設備が準備されているのか
- 立ってやる場合、動き回るスペースがどれ位あるのか
- 途中で水が飲めるのか(飲食禁止の会場もある)
こういったことを、しっかり事前に情報収集してください。
3.出入りはが激しい場所はできるだけ避ける
おまつりでは、イベント会場に、次々といろいろな出し物が続いていて、その場所が休憩所を兼ねている場合があります。音楽や踊りのようなものであれば、観客が途中から来ても問題ありません。
しかし、笑いヨガの場合は最初から居ていただくことが極めて重要です。
大人が集まって変な動作をしながらゲラゲラ笑っていたり、手拍子をしながらホッホハハハと言っていたりすると、奇妙に感じたり不気味に感じる人もいます。
だから、笑いヨガとはどういうもので、何故そうするのかを、最初に説明して納得しておいていただく必要があるのです。
「笑いヨガとは何か」を1分程度で説明し、聞いていただいた方がいいです。笑いヨガを学んだときのマニュアルではなく、自分の言葉でその日の笑いヨガのテーマを交えたものだといいですね。
また、手拍子や深呼吸は笑いが出やすくなるウォーミングアップにもなりますので、基本動作を順番通りにやることが大事です。
笑いの体操をやっている最中から入っても、笑える人もいます。しかし、多くの人は見て「これが笑いヨガか!」と思ってすぐにできるわけではないことを、前提にした方が失敗しないです。
人通りが多い場所でやると、たくさんの人が立ち止まってくれて参加してくれるという考えは手放してください。また、新しく来た人の好奇の目が、最初からやっている人にとっては、邪魔になる場合があることも、意識した方が良いと思います。
印象的な時間にするためのポイント
1.上手じゃなくてもいい
流暢に話し、かっこよく笑いヨガセッションをリードしようと思わないでください。
笑いヨガセッションを上手にリードしようとして、台本を作ったり練習をする必要はありません。
もちろん、経験が少ない人は、ある程度のプランをつくっておくことは大事なのですが、自分のやりたいことをやるのではなく、笑いヨガリーダーは、参加者みんなで盛り上がる場をつくることが、個々の笑いの体操をリードするよりもっと大切な役割です。
目の前の参加者が、どうなることが自分の理想化なのでしょうか?
きっと楽しそうに笑ってくれることだと思います。
自分が誰よりも楽しそうにふりまい、大いに笑い、失敗してもそれを笑い飛ばして楽しそうにリードすることが大事です。
ただし、自分一人が浮いてしまわないよう、気を付けましょう。
また、緊張感は相手を緊張させるし、楽しさを覆い隠してしまうことも忘れずに。
2.呼吸のエクササイズとしてやる
最初に「笑いヨガとは何か」を説明するときに、笑いヨガは笑わせてもらったり、無理に笑ったりするものではないことを伝えることが大事です。笑いヨガは笑う動作の健康体操であることを説明し、無理に笑う必要はないことを理解していただくと、気楽に参加していただけます。
また、笑いの体操のリード「笑ってください」「笑いましょう」という言葉を使わないよう、意識してください。
「笑えと言われても笑えないよ!」という感情を抱かさないよう、自分が使う言葉に意識を向けてください。
3.笑いの伝染力を働かせる
人が笑っているのを見ると、つられ笑いしてしまいます。緊張・不安・怒りといった感情度同様、おかしさも伝染します。
笑いヨガにおける笑いので伝染力は、息がピッタリあうかどうかが鍵となります。
ホッホ・ハハハの掛け声と、手拍子がピッタリ合っているだけで、一体感が生まれ、笑いが伝染しやすくなります。
手拍子と掛け声をていねいにやり、ピッタリ息があっていることを確認しながらセッションを進めていってください。
アイコンタクトも笑いの伝染力を生み出します。
ただし、知らない人に顔を見られると、不愉快に感じる人もいるので、さりげなく参加者同士がお互いの顔を見る工夫をしましょう。
リーダーは、参加者をよく見るようにしましょう。
参加者が、自分の方を見てくれていると感じられ、自分の笑顔や笑いを伝染させていくことは、大切なことです。
4.環境を整える
笑いヨガを依頼された会場の詳細について、情報をできるだけ集め、どのような条件下で笑いヨガをするのか、知っておくことで焦らず本番を迎えられます。
音の環境:
自分の声がしっかり参加者に届くかどうか、確認します。マイクやスピーカーといった音響設備が適切に準備されているか、確認してください。マイクがあっても、ハンドマイクでは手拍子ができまえん。その場合、マイクスタンドを準備してもらいましょう。
ステージ:
笑いヨガセッションをする際に、参加者から自分がどのように見えるのかを知っておくことは大事です。ステージが準備されていて、自分がその上で立っていればどの位置からでも見えるでしょう。ステージから、参加者がいる場所にすぐに行けるかどうかの確認もしておいた方がいいです。リーダーがステージ下に降りて行って一緒に笑うこともありますし、ケンカ笑いや静電気握手笑い等、2人でデモンストレーションをした方がいい場合、参加者席からステージ上に来てもらうことがあるかも知れません。
ステージが無い場合は、自分が良く見える位置に立ったり、見えづらくても問題の無い笑いの体操を選ぶ等の工夫をし、参加者から自分が見えているか、常に意識しましょう。また、目立つ服装をするなどの工夫が大事です。
座席の有無:
笑いヨガは、立っていても座ってもできますが、座ってしかできない笑いの体操もあります。
また、プログラムが長時間になる場合、立っていても後半は座る等の工夫をした方が良い場合もがあります。椅子は可動椅子か動かない椅子なのか、椅子があることによって、立ってやす笑いの体操の動きに制限がかかるのか否か、座席の有無は事前に知っていた方が良い情報のひとつでしょう。
こうした条件が制限になることがあると意識し、何ができ、参加者にどんな変化を遂げてもらいたいのかを考えておくと、いいと思います。
5.準備について
準備としては、これまで述べてきたような内容を、主催者(依頼者)と、自分自身の中で確認をし、情報共有することです。何をやるかのプログラムは必要ないとはいうものの、たくさんの人の前でやるわけですから、それでは不安だと思う人も多いでしょう。
その場合、笑いヨガに親しんでいない人に協力を求め、実際に予定されている時間でリハーサルをやってみることをお勧めします。
家族やお友だち等、忌憚ない意見を言ってくださる方が良いでしょう。
それを、スマホ等で映像の記録を取り、自分の言葉や協力者の感想を聞いてみましょう。
楽しいセッションかどうかはもちろん大切ですが、初めて笑いヨガに出会った人にとって、混乱や戸惑いを生じさせないセッションかどうか、チェックしてみてください。
おまつりでの笑いヨガは、華やかに見えます。
笑いクラブでの笑いヨガより、さまざまな制限があることを踏まえて、「楽しさ」より、「躊躇させない」ことを目指し、準備していけば、本番はたくさんのおまつり気分の人からエネルギーをもらえるので、感動の時間になることでしょう。
自分が楽しみ、自然にお腹からの笑いが出てくることで、最高の体験ができますので、おまつりでの笑いヨガ、ぜひチャレンジしてみてください。
とても勉強になりました。
みんなが参加者楽しい笑いヨガ
、気づいたらからだか動かしてたぁ
目指します。