2021年10月から、Zoomで笑いヨガをお届けしている神明園の副園長で、笑いヨガリーダーの滝沢昭子さんにインタビューしてみました。
毎朝の朝の笑トレにご参加ありがとうございます。
そして、お勤め先の特別養護老人ホーム神明園でも、毎日笑いヨガをしていただいているとのこと。
今日は、そのお話を伺いたいと思います。
私の働く特別養護老人ホーム神明園は、東京都羽村市にあります。2017年から笑いヨガをやっています。
今は、自立度の高い方2階フロア、ほとんどが車椅子の3階フロアで私の出勤日は毎朝やっています。
私が出勤していない日も、他のスタッフがやっています。笑いヨガリーダーは私ともう一人だけですが、毎日やっているので皆覚えてくれて、やっていますよ。
全てのご入居者とやっているということですか?
神明園は、2,3,4 階に居住スペースがあります。4階は、長時間坐位を保つことが難しい方が入居されています。
数名の方は車いすで過ごすことができる方がいます。集団ではやっていませんが、個別に会話をするときなどに、一緒にやったり、私がZOOMで笑いヨガに参加する時に、そばで一緒に参加していただいたりすることはあります。
その他に、職員間でもミーティングの際や、毎月1回の職員全体朝礼などに、短い時間ですが、笑いヨガをやっています。
「笑い体操」を始めて変化したこと
笑い体操をやるようになり、変化したことはありますか?
入居者さんは、笑い体操が好きですね。毎日笑っていると、自然に日常でも笑顔が増えて きます。
皆さんが、笑顔でいると、その態度が職員に伝染し言葉がけも変化し、職員の笑顔も増えてきました。笑い体操のセッションに参加した職員は、気持ちが楽になったというのです。
しかも、セッションの最中だけではなく、それが 1 日持続すると、 言ってくれるようになりました。
すごいですね。入所者の方々の笑いが、職員に伝播したのですね。
最近入職したスタッフ(看護師)が、喜んでいるのですよ。
職員も入居者もみんなが笑っている。
こんな雰囲気の職場があるのかと、ビックリしたと言っています。
毎日やると、全く違う!
笑いヨガリーダーになられたのは2017年でした。
そして、私が2018年に園長から声をかけていただき、羽村市の特別養護老人ホームの合同研修会に講師としてお招きいただきました。
園では笑いヨガは最初からうまくいって良い評価を得たのですか?
高齢者も、何もおもしろくなくて笑うことには抵抗感があります。若い人と同じです。最初、笑いヨガはとても良いと思ったので、私も張り切ってやったのです。しかし、みんながみんな喜んでくれるというわけではありませんでした。
しかし、ノリが良くて笑ってくださる人がいたのです。その人が笑っているのを見て、他の人もつられて笑いました。誰かが笑い始めると、笑いがどんどん伝染し、みんなが笑いだします。
高齢者は、笑いの効果を実感しやすいようです。「体がポカポカしてきた」とか、「楽になる」というのが、若いスタッフより実感していただけるみたいです。食欲が出てきたり、グッスリ眠れるという効果も観られます。
もちろん、日々体調も変わり、認知症もあるのですが、いったん笑い体操をやった人は、次からはすんなりやってくれます。
私も一度だけ、神明園さんに行かせていただきました。
講演の帰りに見学をさせていただいた際、どうしても皆さんと笑いたくなり、無理やりセッションをやらせていただきました。
どんどん人が増えて、とても楽しかったです。
高田先生のセッションを見て、私は衝撃を受けました。
夕食前のバタバタ時間帯で、突然始まったセッションにスタッフは面食らっていましたが、入所者の皆さんが、急にイキイキし普段はやらない人も、積極的に体を動かし笑っていました。
初対面のはずなのに、みんな体中で楽しさを表現していました。本当に、感動的なひと時でした。
私もとっても楽しかったです。手を握っていつまでも離さず、涙を流した男性もいらっしゃいました。
私はシニアの皆さまにはモテモテなのが自慢です。あのときは、本当にこれで別れてしまう恋人になった気分でした。
いつもの場所が温かい空間になりました。セッションの最後は、みんなが、和やかで落ち着いて楽しく笑っていました。
あの日から、もっと寄り添ったセッションを届けたいと思いました。
でも、高田さんに毎日来てもらうことはできません。
私たちが、自分たちでそれをやっていこうと強く感じました。
それからは、いろいろとトライし、できるだけたくさんの回数をやろうと、続けてきました。
入居者さんだけではなく、職員も変化したのは、先にお話しした通りです。
毎日やることが、たいへん重要だということがわかりました。
だから、私の代わりに他の職員もやってくれているのが、とても嬉しく心強いです。
毎日続けることは、とても大切です。
身体も気分も毎日変化するものなので、毎日の変化の中から見つけられるものもあります。
一人一人がありがたい存在
必ずしも、全員が笑い体操を好きなわけではないので、たいへんなこともあったと思います。お聞かせいただけますか?
たいへんなことより、すばらしい成果が出た人の方が多いので、大変だったとは思いません。
笑い体操では、手拍子がとても大事です。
最初の手拍子で、片手が不自由な方が「できない」「できないよー」と大声でいうのです。
「それでは見ていてください」というと、今度は「いやだ」「いやだ」と騒ぎだしました。
これはしめた!と思いました。
そういう反応は、私にコミットしているから出てくるのです。
ご不自由な体で、イライラすることやご不満も多いでしょう。
「片手だからできない」ということに対し、言葉に対して説得する必要はないのです。
「そこにいていただき、反応してくださることが、ありがたい存在なのだ」
と心から感じました。
それを、言葉ではなく伝えようとしていると、伝わるものだなあと感じています。
「やるやらない」
「できるできない」
笑い体操は、そこが大事ではありません。
入居者さんには心身の障がいや社会的課題を抱えた方がいらっしゃいますが、その場で息を合わせるというシンプルなことから、気持ちを通じ合わせることができるのです。
ご病気や障がいを持つ方が多い中、そういうご自身の課題から離れて、笑いに集中できる時間がある。
しかも、体操としての笑いは、感情に関係なく笑えますし、笑っているときではなく、心身の変化が継続すると研究でも実証されています。
他に変化があった方がいらっしゃったら、お話していただけませんか?
自分らしさを取り戻しつつある
悲しい体験を重ねて、神明園にこられた方がいらっしゃいました。
最初のうちは、全く自己表現をせず、誰とも会話がありませんでした。
長時間座っていることが難しいので、朝食後は介助をして、お部屋に戻っていただいていました。
あるとき、「お願いだから、笑い体操が終わる迄待って」と言われました。
笑い体操をしたかったのでしょうね。
今は、毎日笑い体操のセッションに参加されています。
最初、指をまっすぐにして手拍子をすることができませんでした。
指先だけで、リズムを取っていらっしゃいました。
「手のひらの部分を合わせてみたらいいのでは」というと、それで音が出せました。
たった それだけのことで、感激されます。そして、自分の手が上がるようになってきたことに、とても感激するのです。
みるみる意欲的になり、今では神明園での生活を、とても楽しんでいらっしゃいます。
Zoom の笑い体操セッション
とても嬉しいお話のおすそ分け、ありがとうございます。
2021年10月から、Zoom で神明園さんに笑い体操をお届けしています。 翌月から 2 フロア別々のカメラで参加していただいています。 滝沢さん他、スタッフの皆さんが毎日やっていて、とても慣れていることがわかります。
手も上がるし、表情もすごく明るく、声も出ていますね。
入所者の皆さんは、どんな様子ですか?
毎回、皆さんとても喜んで参加しています。 楽しみにしてますよ。
パーキンソン病の方で、さらに唾液が出づらい方がいらっしゃいます。お食事の飲み込み が大変なのです。オンライン笑い体操の第 1 回の笑い体操の最後に、高田さんが「笑いあいうべ体操」をやりました。
それがたいへん気に入り、2 回目の最後、「あいうべ体操!」と画面の高田さんに向かってリクエストを叫んでいましたよ。
「あいうべ体操」を毎日一生懸命やっています。
あれから、目に見えて前向きになり、元気になってきました。
他にも、テレビ画面の高田さんに話しかける人がいます。 オンラインでも、高田さんが出てくるだけで、盛り上がっていますよ。
入居者さんも、スタッフも、毎回楽しみにしています
今日は、すばらしいお話を聞かせていただきありがとうございました。
こちらこそ、いつもお世話になり、ありがとうございます。これからも、よろしくお願いします。
※写真、動画は神明園様、ご入居のご家族様にご許可を頂き神明園Facebookページに掲載されたものをお借りしています。
特別養護老人ホーム 神明園Facebookページは➡ https://www.facebook.com/sinmeien/
神明園公式サイトは➡ https://sinmeien.or.jp/
素晴らしいです!
高齢者、いえ幸齢者の方々がイキイキしていらっしゃいますね。素敵です。
幸齢者さん達が、笑っていると、希望を感じ、幸せを感じるだろうし、、それをみて、大人も子供も明るい未来がみえ、希望をもて、幸せを感じると思います♪。
コロナ禍になり、面会や外出他色々制限があり、高齢者の体力低下、認知症悪化⁇。低下で、介護や看護の負担増になり、加えてコロナ禍ので雑用が増え、看護士さんも介護士さんも、さらに仕事量が増え、忙しくなりました。高齢者にかかわる時間が少なくなって、元気がない。我慢している感じをうけました。高齢者の方々も、スタッフもストレスを抱えている。スタッフは、他でスタッフは、仕事以外で、ストレス解消する場所は、あるでしょうが、高齢者の方々は、部屋かフロアで息抜きするしかありません。
これではダメだと思い、
私は、働きにくい職場を働きやすい施設改革⁈しようと思ったのですが、心身共にボロボロになって、会社をやめました。
働きにくい施設も多々あると思うので、働きやすい環境になって、
幸齢者の方々も、スタッフにも笑いが、必要です。
神明園さんみてく、そういう施設が増えるといいですね。
高田先生の沢山の幸齢者施設を笑顔にしたい❣️そのために、zoomまたは対面で笑いヨガを毎日届けたい❣️
という思いに賛同して、微力ながら、役に立ちたいと思いました。
施設に勤めていた私が感じた事でした。
神明園にいらっしゃる皆様の表情、動きがどんどん明るく、動きも増えて楽しくされている様子を見て、母も最後こんな風に過ごせる環境だったら、良かったのにと後悔する事が多いです。もし、うちの施設て笑ってって言われたら、笑いのお手伝いしたいです。